この記事は、筆者(Shirase)が構築した投資システムにおける「個人の検証記録(ログ)」であり、特定の銘柄への投資勧誘や金融商品取引法に基づく投資助言を目的としたものではありません。掲載されているコード、計算式、銘柄分析は、あくまで私の環境下での出力結果です。読者様の環境(資産状況)での動作(利益)を保証するものではありません。免責事項に関する詳細は「Risk Disclaimer」をご参照ください。
投資に百戦錬磨はありません。
私が構築した「投資OS」も、過去の痛烈な損失の教訓から⽣まれたものです。
今回は、私のポートフォリオにおける最⼤の汚点であり、同時に現在のルールの原点となった「東邦亜鉛(5707)」の失敗事例を、包み隠さず公開します。
1. 当時の状況(Incident Report)
2022年、私は「⾮鉄⾦属セクターは強い」というマクロな読みだけで、個別銘柄のリスクを精査せずにエントリーしました。
当時の状況は以下の通りです。
非鉄枠は今後落ちることはないだろうと楽観的に考えて、大き目の銘柄を適当に選んでいた時でした。
⚠️ 当時ログ
- 購⼊時期: 2022年
- 購⼊動機: ⾮鉄⾦属セクターへの期待(三菱マテリアルと併せて購⼊)。
- 取得単価: 1回⽬ ¥2,185、2回⽬ ¥1,735(計200株)
2. 経緯:株価の急激な下落
その後、オーストラリアのアブラ鉱⼭の遅延やコスト増が明るみに出るやいなや、株価は釣瓶落としのように暴落しました。
当時の私には、現在のような「ナンピン計算式」も「コア・サテライトの区分」もありませんでした。
あるのは「怖い」という感情だけでした。
耐えきれなくなった私は、株価が ¥1,100 まで下がった時点で、保有の半分である100株を成⾏で売却しました。
これが私の投資⼈⽣における「初めての損切り(Loss Cut)」でした。
- 確定損失: 数⼗万円規模(平均取得単価からの乖離 -40%超)
- 精神状態: 完全なパニック
3. 原因分析(Root Cause Analysis)
なぜこの失敗は起きたのか? 今振り返れば、原因は明確です。
| 原因の種類 | 詳細 |
|---|---|
| 仕様の⽋如 | 「どこで損切りするか」「どうなったらナンピンするか」という事前ルール(設計図)がなかった。 |
| 解像度の低さ | 「⾮鉄」という⼤きな主語で捉え、個別企業の「鉱⼭リスク」という特有の変数を無視していた。 |
| 資⾦管理ミス | サテライト枠(実験)として扱うべきハイリスク銘柄を、コア枠のような⾦額で買ってしまった。 |
4. 現在のステータス:なぜ残り100株を持っているのか
現在も私は、残り100株を平均単価 ¥1,960 で保有し続けています。
含み損は甚⼤ですが、これには明確な意図があります。
① 戒め(Monument)として
この含み損は、私が「ルールなき投資」をした証拠です。
ポートフォリオを開くたびにこの⾚い数字(マイナス)を⾒ることで、「⼆度と雰囲気で株を買わない」という規律を⾃分に強制しています。
② 最悪のシナリオの検証(Stress Test)
⼀時は「上場廃⽌」も覚悟しました。
しかし、最悪の事態になっても⾃分の資産全体が死ぬわけではないと確認できたため、「企業が死ぬか、蘇るか」を最後まで⾒届けることにしました。
これは、私の投資家としての経験値(データ)を蓄積するためのコストです。
5. 今後の⾒通し:回復の兆し(Recovery)
捨て⾝で保有を続けた結果、状況は少しずつ変化しています。
2025年後半から、亜鉛市況の好転や構造改⾰の効果により、業績に底打ち感が出てきました。
株価も徐々にですが回復の兆候を⾒せています。
もし買値(¥1,960)に戻ることがあれば、それは私の「忍耐」の勝利ではなく、「市場の気まぐれに助けられただけ」であることを私は知っています。
この銘柄がプラスになろうとゼロになろうと、得られた教訓は利益以上の財産です。