この記事は、筆者(Shirase)が構築した投資システムにおける「個人の検証記録(ログ)」であり、特定の銘柄への投資勧誘や金融商品取引法に基づく投資助言を目的としたものではありません。掲載されているコード、計算式、銘柄分析は、あくまで私の環境下での出力結果です。読者様の環境(資産状況)での動作(利益)を保証するものではありません。免責事項に関する詳細は「Risk Disclaimer」をご参照ください。
「下がったから、なんとなく買う」。これは投資において最も危険な行為です。
ナンピン(難平)は、計画なき実行であれば「無限の損失」を生みますが、設計されたアルゴリズムであれば「平均単価を劇的に改善する技術」になります。
今回は、私が実装している「加速する価格インターバル × 階段状の資金投入」による自己流ナンピン方程式(バージョン4.0)を公開します。
1. 設計思想:マーチンゲールの否定
カジノの必勝法とされる「マーチンゲール法(負けたら倍賭け)」は、投資では通用しません。
資金が指数関数的に増え、先にこちらの資金(スタック)がオーバーフローするからです。
私のナンピン計算式は、以下の2点を要件として設計されています。
- 価格(Interval): 下落が進むほど、次の購入までの「値幅」を広げる。(底なし沼での連打を防ぐ)
- 数量(Volume): 100株単位の制約の中で、資金枯渇を防ぎつつ平均単価を下げる「階段関数」を用いる。
2. アルゴリズムの仕様(Formula)
感情を排除するため、以下のロジックに基づいて機械的にエントリーポイントと株数を算出します。
📐 変数定義
P0: 初期購入価格Price: 直前の購入価格a: 固定下落率(例: 0.1 = 10%)b: 加速係数(例: 0.1 = 10%)
1. 価格決定ロジック(Dynamic Interval)
次のナンピンまでの下落幅(D)を、以下の式で動的に算出します。
D = (a × P0) + (P0 - Price) × b
意味:
「基本の下げ幅(固定)」に加えて、「現在の含み損幅(初期価格との乖離)に比例した距離」をさらに追加します。
つまり、株価が深堀りすればするほど、次のナンピンまでの距離が自動的に遠くなり、底なし沼での資金消費を抑制します。
2. 株数決定ロジック(Step Function)
単元株(100株)制度において、資金効率を最適化するため、株数は以下の「階段関数」で管理します。
Unit_Map = {1, 1, 2, 2, 3, 3...}
ルール:
初回・1回目は 100株(打診)
2回目・3回目は 200株(加重平均効果の発動)
4回目・5回目は 300株(深い下落での単価改善)
倍々ゲームによる破綻を防ぎつつ、深い位置で「厚く」買う制御を行います。
3. シミュレーション(実行結果)
このロジックを適用した場合の、取得単価の推移シミュレーションです。
(設定:株価1,000円スタート、固定率a=0.1、加速率b=0.1の場合)
| 回数 (n) | 約定価格 | 下落幅(D) | 購入株数 | 累計平均単価 |
|---|---|---|---|---|
| 初回 (0) | 1,000円 | - | 100株 | 1,000円 |
| 1回目 | 900円 | 100円 | 100株 | 950円 |
| 2回目 | 790円 | 110円 (加速開始) |
200株 | 870円 |
| 3回目 | 669円 | 121円 | 200株 | 803円 |
| 4回目 | 536円 | 133円 | 300株 | 714円 |
ポイント: 株価が1,000円から536円へとほぼ半値になっても、平均取得単価は714円まで下がります。
下落が進むほど「次の買いまでの距離(D)」が 100円→110円→121円→133円 と広がっている点に注目してください。これにより、暴落時の「早すぎるナンピン」をシステム的に防いでいます。
5. 運用ツール(JavaScript Calculator)
この計算を毎回電卓で行うのは現実的ではありません。
私は自作のJavaScriptツールで、「どこまで下がったら、いくら買うか」を事前に算出し、証券会社のアプリで「指値注文」を入れています。
6. 鉄の掟:撤退ライン(Exception)
この方程式にも「解」がない場合があります。
それは「企業の前提条件が崩れた時」です。
不正会計、致命的な事故、ビジネスモデルの崩壊。
これらが起きた時は、一度立ち止まって今後を検討します。計算式はあくまで「正常な市場のゆらぎ」に対する処方箋であり、企業の死に対する蘇生措置ではないからです。
基本的にはこのような事象に陥らない銘柄を選定しますので、発生確率としては下がっているとみていますが、万が一起きてしまったときには焦って売らずにどうしていくかをよく吟味します。