1. 予算獲得プロセス:生活費には手を付けない
サテライト枠は、リスクの高い「実験」です。
そのため、生活防衛資金やコア投資用の資金(給与からの積立)は一切投入しません。
この「実験室」の予算(原資)は、以下のルートでのみ調達されます。
- 配当金(Reinvestment): コア銘柄が生んだ不労所得。
- 売買益(Capital Gain): 過去のトレードで確定した利益。
- 完全な余剰資金: 生活費・貯蓄・コア積立を引いた後に残った、使わなくても死なないお金。
つまり、「市場から得た利益を、市場での実験に再投下する」ことで、元本(給与)へのダメージを遮断しています。
2. 選定基準:本命ではないが「化ける」かもしれない
コア枠のような「PER15倍以下」「連続増配」といった厳格なフィルタリングは適用しません。
ここでは、数値よりも「ストーリー(仮説)」と「ボラティリティ(変動幅)」を重視します。
気にはなっているが、主力にするには怖すぎる。そんな「尖った銘柄」が対象です。
具体的な実験対象(Target Examples)
- バイオ・製薬ベンチャー: 新薬承認か、開発中止か。0か100かの世界。
- 構造改革中の企業: 例)楽天グループ。モバイル事業の赤字を乗り越え、プラットフォームの覇権を取り戻せるか?
- 次世代テーマ(Deep Tech):
- 半導体・新素材(ダイヤモンド半導体など)
- 宇宙開発(衛星コンステレーション、デブリ除去など)
これらは、今の業績(数字)だけ見れば「買い」ではありません。しかし、5年後に世界を変えている可能性がある銘柄たちです。
3. 運用ルール:損切り機能の無効化(Disable Stop-Loss)
ここがサテライト戦略の最も特異な仕様です。
「含み益ならサクッと売るが、含み損なら売らない」
| シナリオ | アクション | 意図 |
|---|---|---|
| 上昇時(Success) | 短期利確(Sell) 期間:2週間〜1ヶ月 |
「儲けたらラッキー」。深追いせず利益を確定させ、次の実験予算に回す(回転率重視)。 |
| 下落時(Fail) | 保有継続(Hold) 損切りしない |
最初から「無くなってもいい金額」しか入れていないため、ロスカットによる資金保全の必要がない。 |
通常のトレード理論では「損切り(Loss Cut)」は必須とされます。
しかし、この枠に関しては「倒産(ゼロ)になるか、劇的に復活するか」を最後まで見届けること自体を目的としているため、中途半端な価格での撤退はしません。
4. 失敗の定義:損失は「授業料」として計上する
もし、サテライト銘柄が暴落し、あるいは倒産して価値がゼロになったらどうするか?
それは「失敗」ではなく、「貴重なデータの取得完了」と定義します。
- なぜ、その技術は市場に受け入れられなかったのか?
- どのタイミングでシナリオが崩れたのか?
- 自分が買ったタイミングのどこに過ちがあったのか?
自分のお金を投じて痛みを感じながら得た教訓は、本で読んだ知識の何倍もの価値があります。
損失額は、将来の成功確率を上げるための「勉強代(Tuition Fee)」としてバランスシートから償却します。
(※私のポートフォリオにある東邦亜鉛なども、この精神で保有し続けています)